
緑内障の治療を続けていて、「目薬を増やしても眼圧が十分に下がらない」「視野の検査結果が気になる」「手術にはどんな選択肢があるのか知りたい」と感じている方もいらっしゃると思います。今回の講演を基に、患者さん向けにECPについてご紹介します。
この記事の要点
- 森田修医師は第37回日本緑内障学会で、内視鏡的毛様体光凝固術(ECP)の手術時のポイントと症例選択について、眼科医向けに講演しました。
- 内視鏡的毛様体光凝固術(ECP)は房水をつくる部分にアプロ―チする手術です。組織への作用は元に戻せないため、適応を慎重に判断します。
- 森田眼科では点眼やレーザーから手術にも対応しており、緑内障治療全体を相談できます。必要な時期に手術に繋ぐことが可能です。
【目次】
内視鏡的毛様体光凝固術(ECP)とは?

ECPは「内視鏡的毛様体光凝固術」の略称です。眼の中を内視鏡で見ながら、眼内の水分である「房水」をつくる毛様体にレーザーを当て、房水の産生を抑えることで眼圧を下げることを目指します。
毛様体を直接見ながら照射できるため安全性が向上している一方、レーザーを当てた組織への作用は元に戻せないという点です。治療の効果やリスクは眼の状態によって異なるため、ECPがすべての緑内障患者さんに適するわけではありません。
ECPと他の緑内障手術との違い

眼圧は、眼の中でつくられる房水の量と、眼の外へ流れる量のバランスで決まります。図のように水槽モデルで考えるとわかりやすいです。
- 線維柱帯切開術やiStentなどは流出路再建術と呼ばれ、房水の流れを改善し排水管の流出抵抗を下げます。
- 線維柱帯切除術やプリザーフロマイクロシャント、チューブシャント手術は新しい流れ道を作る治療です。
- ECPは房水をつくる量を抑える手術です。
「新しい方法だから良い」「レーザーだから簡単」とは判断できません。ECPは眼の中で行う手術で、術後の炎症、眼圧が十分に下がらないこと、逆に下がりすぎることなどへの注意が必要です。必要な眼圧下降の程度や、これまでに受けた手術の種類によって、適した選択肢は変わります。
講演では、眼の中を直接見ながら照射できる利点と、凝固した組織を元には戻せない性質の両方をお話ししました。緑内障手術は、期待できる効果と負担を患者さんごとに比べることが重要です。
大切なのは眼に合った治療を選ぶこと
緑内障には、点眼薬、レーザー、さまざまな手術があります。今回の講演では、過去の手術歴、房水の流れ、毛様体の状態などを踏まえた症例選択について、森田医師の経験を交えて説明しました。
治療方針は眼圧の数値だけで決まりません。視野やOCT検査の変化、これまでの治療経過、目標とする眼圧、日々の点眼の負担などを確認し、一人ひとりに合う方法を検討します。日本緑内障学会の診療ガイドラインでも、病型や病期を考慮して薬物・レーザー・手術を選ぶことが示されています。
ECPが自分に適しているかどうかだけでなく、「今の治療を続けてよいのか」「レーザーや手術を検討する時期なのか」を含めて考えることが大切です。
森田眼科では、点眼・レーザー・各種緑内障手術の中から、現在の眼圧や視野・OCTの変化、これまでの治療歴などを確認し、一人ひとりに適した治療方法を検討します。現在の緑内障治療について不安がある方もご相談ください。
治療の見直し時期
一般的には以下のような状況が治療を見直すきっかけになります。ただし、眼圧が高いという一度の測定だけで手術が決まるわけではありません。
- 目薬を予定どおり使っていても目標眼圧に届かない(眼圧が高い)
- 視野やOCTで進行が疑われる
- 点眼の副作用や回数が負担になっている
医師は過去と現在の検査結果を比べ、病気の進み方と、今後どこまで眼圧を下げる必要があるかを確認します。すでに手術を受けた眼では、現在の房水の流れ道が機能しているかも判断材料になります。講演でも、ECPの効果は房水産生だけでなく、残っている流出機能によって変わり得ることをお話ししました。
森田眼科の緑内障診療
森田眼科では、検査や点眼治療に加え、適応に応じて下記の治療に対応しています。
- 選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)
- iStent inject W
- 線維柱帯切開術(眼内法:谷戸式マイクロソフトフックロトミー)
- Preserflo microshunt:プリザーフロマイクロシャント挿入術
線維柱帯切除術やチューブシャント手術が必要な場合には、森田医師が大学病院で執刀もしくはご希望の施設にご紹介しています。ECPについては患者さんと相談の上で、森田眼科で対応も可能です。
▶緑内障の検査・治療全体については、「緑内障診療について」もご覧ください
診察で確認すること
診察では、
- 現在の点眼薬、眼圧の推移、視野検査とOCTの変化
- 過去のレーザー・手術歴
などを確認します。以前の病院で検査を受けた方は、紹介状や検査結果、お薬手帳をお持ちいただくと、経過を把握する助けになります。
必要な眼圧下降と治療の負担を照らし合わせて、治療方針を相談します。
まとめ・予約・アクセス
緑内障治療を見直したい方はご相談ください
「眼圧が下がりきらないと言われた」
「視野の変化を指摘された」
「手術を勧められたが、選択肢を整理したい」
という方は、これまでの検査結果や使用中の目薬が分かるものをお持ちください。
埼玉県川口市の森田眼科で、点眼・レーザー・各種緑内障手術を含めて、現在の状態に適した治療方法をご相談いただけます。
【ご予約はこちら】
Web/LINE予約は365日24時間対応 / 予約優先制
【アクセス】

JR京浜東北線「西川口駅」東口より徒歩4分です。
川口市はもちろん、蕨市や戸田市、さいたま市からもアクセス良好です。
よくある質問
ECPを希望すれば森田眼科で受けられますか
ECPを含む術式の適応と実施場所は、診察で眼の状態を確認してから判断します。森田眼科で対応することも可能です。
ECPはレーザー治療なので眼に傷をつけませんか
ECPは眼内に内視鏡を入れて行う手術です。外来で行う選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)とは方法や合併症が異なります。
手術をすると目薬や通院は不要になりますか
必ずしも不要にはなりません。手術後も眼圧や視野の変化を確認し、必要に応じて点眼を続けたり、治療を調整したりします。目薬は自己判断で中止しないでください。
ほかの病院で緑内障手術を受けた後でも相談できますか
ご相談いただけます。これまでの術式、現在の眼圧、視野・OCTの経過を確認して、今後の治療を検討します。可能であれば紹介状と過去の検査結果をお持ちください。ただし、セカンドオピニオンのみの対応は行っておりません。
監修医師
森田 修(もりた しゅう)
森田眼科 副院長
医学博士 / 眼科専門医
順天堂大学浦安病院 眼科 外来医長
▶森田修医師の手術・研究・講演業績
視野の欠けや見えにくさがある場合、緑内障が原因となっていることがあります。
詳しくは緑内障のページをご覧ください。