眼科専門医 森田 修

緑内障イメージ

緑内障は40歳以上の約20人に1人が抱えている病気です。
早期に発見することがとても大切です。

症状がなくても40歳以上の方は診察を受けることをお勧めします。また、すでに緑内障と診断されていて不安な方も川口市西川口駅徒歩4分の森田眼科までご相談ください。
当院では点眼治療から、レーザー治療や手術治療にまで対応しており、順天堂大学浦安病院の緑内障治療責任者が診療いたします。

網膜硝子体手術イメージ

目が見える仕組み

私たちの目をカメラに例えてお話しします。 レンズ(角膜と水晶体)を通って入ってきた光(画像)に、ピント(毛様体と水晶体)を合わせて、フィルム(網膜)に画像を映し出します。その画像が視神経(脳に見た情報を伝えるケーブル)を伝わって脳へ送られると、私たちは「物を見た」と感じます。

目が見える仕組みイメージ 目が見える仕組みイメージ

緑内障について

網膜剥離イメージ

緑内障は、何らかの原因で視神経(脳に診た情報を伝えるケーブル)が障害を受けて、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。

視神経はもともと、眼圧との間に微妙なバランスを保ちながら働いています。このバランスが崩れてしまうと視神経線維が少しずつ消耗していきます。そうすると、視神経からの画像情報が脳に伝わらなくなるため、視野(見える範囲)が狭くなります。これを視野障害と呼びます。

緑内障は、失明原因の第1位です。
そして40歳以上の日本人の5.0%(20人に1人)が緑内障であり、年齢が上がるとともに増加していることがわかっています。しかし、そのうち緑内障と診断されていたのは、わずか1割程度で、残り9割は緑内障と気づかず受診もしていませんでした。40歳以上の方は症状がなくても定期的に眼科検診を受けられることをおすすめします。

緑内障の分類

緑内障にはいくつかの種類があります。眼圧が高くなる原因によって、大きく原発緑内障、小児緑内障、続発緑内障に分けられ、原発緑内障はさらに開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障に分けられます。病型によって治療が異なるため、しっかりと診断をつけて適切な対応をとることが重要です。ご自身がどの緑内障のタイプなのか把握しましょう。

原発緑内障

(1)正常眼圧緑内障

視神経が元々弱いので、正常の眼圧でも視神経が悪くなっていくタイプの緑内障です。日本人の緑内障の約7割がこの正常眼圧緑内障です。

(2)原発開放隅角緑内障

眼圧が正常範囲よりも高いタイプの緑内障です。眼圧の元となる房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりすることによって、眼圧が上昇して視神経に障害を引き起こします。

(3)原発閉塞隅角緑内障

房水の出口付近にある隅角と呼ばれる部分が狭い、もしくは閉じてしまうことによって房水の流れが妨げられ、眼圧が上昇して視神経に障害を引き起こします。慢性型と急性型があります。

続発性緑内障

他の目の病気や全身の病気、あるいは薬物使用が原因となって眼圧が上昇するタイプの緑内障です。外傷や目の炎症などといった目の疾患によるものや、ステロイドホルモン剤などの薬剤によるものなどがあります。

小児緑内障

房水の排出口付近の隅角(ぐうかく)と呼ばれる部分が、生まれつき未発達なことで房水の流れを妨げてしまい、眼圧が上昇して視神経に障害を引き起こします。

緑内障の症状と進行について

緑内障はゆっくりと何十年もかかって進行していくため、急激な変化が表れにくい病気です。また、私たちの脳には、視野が欠けていても自動的にそれを補う仕組みがあります。さらに、普段は両眼でものを見ているため、片方の眼の視野が欠けていても、もう片方がそれを補います。そのため、見えづらさを感じた時には、すでに末期である場合が多いです。
片目ずつ見てみましょう。かすんで見えたり、見えづらい部分はありませんか?
以下のような症状がある方は緑内障の疑いがあります。早めに森田眼科までご相談ください。

  • 見えている範囲や視野自体が狭くなってきている
  • かすんで見えない部分がある
  • 運転中に信号や標識、歩行者を見落とすことがある
  • つまずきやすくなった
  • 人や物によくぶつかるようになった
  • 頭痛や吐き気と共に、眼痛や目の充血、霧視(霧がかかったように見える)を認める

失われた視野は二度と回復しないため、早期発見が何よりも重要です。自覚のない早期のうちに発見するには眼科で定期的に受診することが必要です。

緑内障の症状と進行についてイメージ

緑内障の検査

緑内障の検査イメージ

緑内障は、眼圧検査、眼底検査、OCT検査、視野検査等で診断されます。定期的に検査を受けて、進行がないか治療効果をしっかりと判定することが大切です。
森田眼科では、状態に合わせて1~3ヶ月毎の診察と検査(3~6ヶ月毎に視野検査を施行)を計画します

緑内障の治療

点眼治療、レーザー手術、手術の3つの方法があります。

すでに障害された視神経をもとにもどす方法はなく、病気の進行を緩やかにすることが目標となります。現時点で有効性が確認されている治療は、眼圧を下げることです。病気が進行しないと予想される値まで眼圧を下げるように治療を行います。目標眼圧は患者さんごとに異なるため、個別に設定します。眼圧が正常範囲でも、その人の眼にとって高い眼圧だと、緑内障が進行します。弱くなった神経ではより眼圧の負担を減らしてあげる必要があります。

一生涯付き合っていく病気になりますが、敵を正しく知り、向き合っていくことが大切です。森田眼科では順天堂大学浦安病院の緑内障治療責任者が二人三脚で患者さんをサポートいたします。
具体的な治療法としては、点眼治療、レーザー手術、手術の3つの方法があります。緑内障の種類や患者さんの状態で、それぞれに適した治療を選びます。

治療方針について

開放隅角緑内障の治療方針

まずは点眼治療で目標眼圧まで眼圧が下がるか確認します。 目標眼圧に届かない場合は点眼の変更や追加を行って調整します。同時に、視野障害の進行が緩やかになっているか定期的に検査をして、患者さんにとって十分な眼圧下降を得られているのか判断します。より眼圧を下げる必要があれば、目標眼圧を修正して、治療を強化します。点眼治療でも目標眼圧を達成できない場合や、進行を認める場合は手術が必要です。

閉塞隅角緑内障の治療方針

房水の出口である隅角が閉塞していることが最大の原因であるため、手術やレーザーで隅角を広げます。長期的に隅角が狭い状態が続いていた方では、機能も悪くなっていることがあるため、その場合は隅角を手術で広くした上で、点眼治療も併用します。その後の治療方針は開放隅角緑内障と同様です。

点眼治療について

緑内障は自覚症状にとぼしく、ゆっくりと悪くなっていく病気なので、点眼治療が効いているという実感がほとんどありません。しかし、決められた点眼方法を守らなかったり、点眼を途中で止めてしまったりすると、気がついた時にはすでにどうしようもない状態になってしまいます。また、色々な副作用が出ることがあります。一緒に相談しながら使用可能なお薬で治療を継続することが大切です。

点眼回数・量を守りましょう。1回1滴で十分です。

2 滴以上点眼しても、そのほとんどは眼からあふれ出てしまいます。
あふれた目薬はティッシュなどでふきとりましょう。

2つ以上の目薬を点眼するときは、5分程度間隔をあけましょう。
2つ以上の目薬を点眼するときは、5分程度間隔をあけましょう。イメージ

続けて点眼すると先にさしたお薬が、次のお薬で押し出されてしまい効果が薄くなることがあります。

点眼後は目頭を軽く押さえるようにしましょう。点眼後すぐのまばたきは逆効果です。
点眼後は目頭を軽く押さえるようにしましょう。点眼後すぐのまばたきは逆効果です。イメージ

静かに眼を閉じて、1~5分ほど目がしらをそっと押さえましょう。そうすることで、目薬が眼の中にたくさん入るようになり効果が高まります。

レーザー治療・手術

緑内障では、いったん悪くなった視力や視野を元通りに戻す治療方法がありません。しかし、眼圧を下げれば病気の進行を遅らせることができます。薬物治療などでは充分に眼圧が下がらず病気が進行する場合は、眼圧を下げる手術をおこないます。
治療法は大きく、「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」で異なります。手術は怖いという印象が大きいと思いますが、手術をためらっているうちに、緑内障が悪化すると、あとで手術をしても回復しませんので良いことではありません。手術の利点と欠点を考えた上で、患者さんそれぞれにあった方法を選ぶことが大切です。森田眼科では患者さん1人1人に合わせた治療方針を個別に組み立てております。気になる方はいつでも相談にいらしてください。

緑内障のよくあるご質問

Q.風邪薬を飲んでもいいの?
A.緑内障の種類によっては、内服薬や注射薬など他のお薬の使用に注意が必要です。 「閉塞隅角」と呼ばれるタイプの緑内障の場合、お薬によって眼圧が急激に上がる危険性があります。緑内障治療以外の点眼や他の薬剤を使用する際には、薬剤師または医師に相談してください。
Q.点眼を忘れないようにするにはどうしたらいい?
A.具体的な動作や生活習慣と関連付けて点眼のタイミングを決めるとよいです。
例えば、新聞を読む前や歯磨きをする前、お風呂に入る前などに点眼タイミングを合わせると良いでしょう。
Q.点眼の保存方法は?
A.多くは「遮光・室温保存」ですが、「冷所保存」のものもあります。
冷所保存であっても、開封後の使い切るまでの期間内なら、外出時には室温にさらされても大きな問題にはなりません。ただ、直接日光が当たらないように気をつけてください。
Q.副作用が心配・・・
A.副作用は全ての人に起きるわけではありませんので、まず大切なことは視野を守るために、毎日点眼を続けることです。
点眼薬によって異常を感じた場合は自己判断で薬をやめたりせず、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
お薬をそのまま使ってよいか、中止しなければならないか確認することはもちろん、よりあなたに適した点眼薬を提案できることもあります。
ひとりで悩まずにお話しください。
Q.緑内障にいいサプリメントはありますか?
A.明確な治療効果があるサプリメントはありませんが、補助療法として効果が期待されているものはあります。 森田眼科では、実験レベルや臨床報告で有効性が期待されているサプリメントを取り扱っております。
Q.緑内障になりやすい人はどのような人ですか?
A.年齢が高くなっていくと発症率は上がります。
40歳以上の5%、80歳代では10%程度が緑内障と言われています。また、近視の強い方や家族に緑内障の人がいる方、血圧の低い方も緑内障になりやすいです。

最後に伝えたいこと

緑内障は生涯にわたり、治療や管理が必要な病気です。
あなたの眼がずっと見えている、よい状態でいるために正しい治療を続けて緑内障と上手につき合っていくことが何よりも大切です。
「あなたの眼が、ずっと見えていること」、それを願っている家族や医師と一緒に頑張りましょう。