2023.05.11疾患から探す

眼科専門医 森田修

遠視とはいわゆる「遠くにも近くにもピントが合っていない」状態です。

遠視といわれると「遠くは見えて、近くが見えにくい」と思われがちですが、実際には遠くにも近くにもピントがあっていません。

視力検査

遠視とは

前述しました様に、遠視とはいわゆる「遠くにも近くにもピントが合っていない」状態です。

目に入ってきた光は角膜と水晶体を通過し、屈折したのちに網膜と呼ばれる対象物を映し出すスクリーンで認識されます。その網膜にピントが合っていると、はっきりと対象物が見えます。

つまり、目は網膜にピントが合うことで、はっきりと物を見ることができるのですが、網膜より後ろでピントが合ってしまうと、遠くも近くも見えにくくなってしまいます。この状態のことを遠視といいます。

また、遠視は老眼とよく一緒にされやすいものですが、原因が全く異なります。遠視は網膜の後ろでピントが合ってしまうことで遠くも近くも見えにくくなります。対して老眼は、水晶体というレンズの役割をしている部分のピントの調節機能が加齢と共に弱くなっていく状態です。軽い遠視の方は、老眼になる前はご自身でピントの調整ができているため、不便を感じることが少ないですが、老眼になってくるとピントの調整ができなくなってくるため、ピントが合いにくくなり不自由を感じます。

遠視とは

遠視の原因

遠視の原因は、眼軸(目の長さ)の短さが原因であることが多くあります。これは遺伝の要素が強くあります。

子供は眼長軸が短い場合がほとんどですが、成長によって眼軸が長くなることで、遠視が自然と解消されることが多くあります。強い遠視では、弱視といって視力の発達が悪くなることがあるため、場合によってはメガネをかけていただきます。重度の遠視では内斜視といって、目の向きが内向きになることもあります。その場合にもメガネが必要です。

成人で遠視の場合にも眼鏡などで見やすく調整します。軽い遠視の場合には自覚がないことも多いですが、年齢とともに老眼になってくるとピントの調整が難しくなり、不便を感じます。そのままにしておくと疲れや肩こり、頭痛の原因ともなるため、メガネやコンタクトレンズで適切に矯正しましょう。

遠視の治療

遠視の治療としては眼鏡やコンタクトレンズをつけることで、ピントをしっかりと合わせます。特に幼少期の遠視は弱視にも影響するため、慎重に眼鏡などは選定を行いましょう。

まずは眼科にて診察を受けて、遠視の状態、程度を確認したうえで適切な治療を行うことが大切です。お悩みの方は川口市の森田眼科までご相談ください。蕨駅からのアクセスも良好です。