【要約】
川口市の森田眼科です。森田医師が、2026年3月9日に医療者向けセミナーで緑内障手術に関する発表し、点眼から低侵襲緑内障手術・濾過手術・チューブ・内視鏡的毛様体光凝固術までの手術適応を整理しました。患者さんには、病期と年齢、眼圧などから適切な治療方針を提案します。

緑内障治療、「様子見」のまま不安が続く方へ
「点眼を増やしているのに眼圧が下がりきらない」
「手術と言われたが、種類が多すぎて分からない」
「いつ決断すべき?」
ー緑内障の悩みは“情報の多さ”そのものが負担になります。
そこで森田眼科では、“目標眼圧”に向けて治療方法を整理”して方針を考えています。この考え方を医療者向け講演でも共有しました。
このページでは、その講演内容を患者さん向けに噛み砕き、「次に何を判断すべきか」を分かる形にまとめます。
【目次】
講演の概要
2026年3月9日(月)にWeb開催の医療者向けの講演「Resident Station」にて、森田修医師(順天堂大学浦安病院/森田眼科 副院長)が「緑内障手術、術式多すぎ…—とある緑内障術者の“交通整理”—」を講演しました。
講演の内容は次の4点です。
- 目標眼圧:年齢・視野・進行速度・余命(生活)で個別に設定
- 手術は“最後の手段”ではなく戦略の一部
- 術式を「侵襲×眼圧下降効果」で選択(SLT/MIGS/濾過/チューブ/ECP)
- 各手術方法の適応の流れ(フローチャート)で“迷いどころ”を減らす
※同日の別演題として、学童近視(近視進行抑制)も扱われた医療者向けプログラムでした。
症状の原因と放置リスク
大切なのは「進行を止める設計」
緑内障は、視野が静かに欠けていく病気です。自覚症状が乏しい一方で、進行すれば生活に支障が出ます。講演では「治療の目標は病気の進行を緩やかにすること」と整理し、治療の遅れが将来の視機能に影響することを視野のイメージで提示しました。
【放置(または先延ばし)で起きやすい困りごと】
- ぶつかる/段差が怖い/運転が不安
- 読書やPCで疲れやすい
- 見え方のムラで仕事効率が落ちる
- いざ手術が必要になったとき、選択肢が狭まる
受診の目安
今すぐ受診(当日〜近日)
- 眼圧が高いと言われた/健診で「視神経乳頭陥凹拡大」と言われた
- 視野が急に狭く感じる、片眼の見え方が急変
- 手術後で「痛み・充血が強い」「急に見えにくい」
早めの予約を推奨
- 点眼を増やしても目標眼圧に届かないと言われた
- 検査で「進行している」「視野が悪化」と説明された
- 薬の副作用(しみる・充血・息苦しさ等)で継続が難しい
経過観察でもよいことが多い
- 眼圧・視野が安定しており、医師から「次回まで様子見」と言われている
- 予定された検査(視野・OCT)の間隔でフォロー中
※ただし自己判断は禁物
緑内障診療経験に基づく“交通整理”
順天堂大学浦安病院で緑内障診療責任者を務め、緑内障手術を行っている立場から講演で強調したのは、「手術は最後ではなく、戦略の一部」という点です。
同じ“緑内障手術”でも、狙える眼圧や回復までの期間・合併症の質が違います。
【緑内障手術の簡易比較表】
※下は講演内容を、患者さん向けに読み替えたものです(個人差があります)。
| 位置づけ | 代表例 | 目的(効果) | 特徴 |
| オプションとして検討 | レーザー線維柱帯形成術(SLT) | 点眼の追加を抑えたい | レーザー治療、5分程度で終了。負担が小さい。 |
| 低侵襲手術 | iStent inject W / Hydrus | 眼圧を少し下げる + 点眼減少効果 | 眼圧の出口にステントを留置して流れをバイパスする。出血は少量であることが多い。 |
| 中等度 | 線維柱帯切開(眼内法) | 14mmHg前後の眼圧が目標 | 眼圧の出口を手術で切開して通りをよくする。出血のために2週間程度見えにくい。 |
| しっかり下げたい | PreserFlo MicroShunt(プリザーフロマイクロシャント) | 12mmHg前後の眼圧が目標 | 眼圧を下げるための短いチューブを眼内に挿入する。比較的短時間で術後の管理も最低限で済む。 |
| さらに強力 | 線維柱帯切除術 | より低い眼圧を狙える | 効果が強いが、管理も大変で目の負担も多い。恐い合併症も増える。 |
| 難治例に強い | チューブシャント(アーメド緑内障バルブ等) | 10台半ば前後の眼圧を狙う | 眼圧を下げるためのチューブを眼内に挿入する。特殊なタイプの緑内障や手術条件の悪い眼で有利。 |
| 最終手段の一つ | 内視鏡的毛様体光凝固術 | 10台半ば前後の眼圧を狙う | 房水産生の場(毛様体)を内視鏡で確認しながらレーザーで焼く。 |
森田眼科での検査・治療(日帰り手術)
患者さんの不安が強いのは、たいてい「何を根拠に決めるのか」が見えない時です。森田眼科では、次の順に“判断材料”をそろえます。
- 現状の評価:眼圧・視神経/OCT・視野・角膜/前房など
- 目標眼圧の設定:年齢、視野障害の部位、進行速度、生活背景
- 治療の交通整理:点眼の限界/レーザー/手術の適否
- 手術が必要なら最短ルート:術式のメリット・デメリット、術後通院計画
日帰り手術を検討する場合も、痛み・不安を最小化できるように心がけています。
まとめ・アクセス・予約方法

緑内障は早期発見・早期治療・治療継続が重要です。
「眼圧が高いと言われた」「健診で視神経乳頭陥凹拡大を指摘された」場合に放置せずに、川口市の森田眼科へご相談ください。
「まだ手術は怖い」
ーそれ自体は自然です。大切なのは、“先延ばしのリスク”と“今やる利点”を比べることです。
- 点眼が増えている/副作用で続けにくい → 手術で“薬を減らす”選択肢
- 進行が示唆される → 目標眼圧を再設定し、必要なら一段強い治療へ
- 白内障もある → 白内障手術と同時にMIGSを検討(適応があれば)
【アクセス】
JR京浜東北線「西川口駅」東口より徒歩4分です。
蕨市や戸田市、南鳩ヶ谷方面からも通院しやすい立地です。蕨駅からは1駅(3分)で、駐車場や駐輪場も完備しております。院内はバリアフリーですので、足元の不安な方もそのままお入りいただけます。
【ご予約はこちら】
よくある質問
Q1. 手術をしたらよくなりますか?
A. 残念ながら、現在は緑内障(失われた視野)をよくする方法はありません。進行を抑えることが精一杯です。そのため、早期発見/早期治療/適切な管理が重要です。また、緑内障手術は見え方が改善しないだけでなく、合併症も起こりえるため気軽に勧められるものはでありません。
Q2. 手術は痛いですか?
A. 手術は麻酔下で行い、痛みは最小限になるよう調整します。術式により術後の違和感の出方は異なるため、手術前に「どの程度・どれくらい続くか」を説明します。
Q3. 仕事復帰はいつ頃できますか?
A. 術式と目の状態によります。低侵襲手術では比較的早期の復帰が可能なことが多い一方、濾過手術では見え方が落ち着くまで時間がかかる場合があります。
※職種(運転の有無)に合わせて個別にご案内します。
Q4. 費用はどのくらい?
A. 保険診療の範囲で行う治療が中心です。術式や同時手術の有無、自己負担割合で変わるため、診察時に資料をお見せします。
【監修医師】
森田 修(順天堂大学浦安病院外来医長・森田眼科副院長・眼科専門医・医学博士)
視野の欠けや見えにくさがある場合、緑内障が原因となっていることがあります。
詳しくは緑内障のページをご覧ください。