森田眼科では、
緑内障のレーザー治療・手術を全て日帰り手術で対応しております。

網膜硝子体手術・注射イメージ

緑内障の病型によって治療法が異なります。
(病型の説明はこちらをご覧ください)

>開放隅角緑内障の手術:眼圧の出口が広い
>閉塞隅角緑内障の手術:眼圧の出口が狭い

森田眼科で行っている
レーザー治療・手術の実際

開放隅角緑内障の手術

  • 房水(眼圧)の出口は狭くありませんが、出口の機能が悪く、その流れが障害されて眼圧が上昇しているタイプの緑内障です。
  • 房水の出口(線維柱帯)の流れを改善させたり、新しい出口を作ったりすることで眼圧を下げます。
①オプション的な立場
(患者様の希望に応じて計画)
②リスクを抑えた手術
(進行のある初期-中期緑内障:目標眼圧が13-15mmHgの人)
③眼圧を下げる力が強い手術
(進行のある末期緑内障:目標眼圧が12mmHg以下の人)
選択的レーザー
線維柱帯形成術


iStent inject Wアイステント インジェクト ダブリュウ 挿入術
線維柱帯切開術

PreserFloプリザーフロ
MicroShuntマイクロシャント
挿入術
線維柱帯切除術

Expressエクスプレス 挿入術
チューブシャント挿入術
安全性と眼圧下降力の図

※表の術式を選択すると説明に飛ぶことができます。
③は森田眼科では行っておりません。

閉塞隅角緑内障の手術

  • 房水の出口である隅角が狭いことや閉塞していることが原因であるため、隅角を広くすることが根本的な解決につながります。
  • 眼圧が高くなくても、早い時期に手術あるいは予防的にレーザー治療が必要です。
  • 長い間にわたり線維柱帯が閉塞した状態では機能も低下している場合があります。その場合は引き続き、開放隅角緑内障と同様の治療を行います。
第一選択の治療 その他の治療
水晶体摘出術
(白内障手術)


隅角癒着解離術
レーザー虹彩切開術

※表の術式を選択すると説明に飛ぶことができます。

開放隅角緑内障の
レーザー・手術治療

①選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)

レーザー光線を当てて房水の流れをよくします。
眼圧の元となる房水の出口である線維柱帯と呼ばれる場所に、レーザーをあてることで房水の流れをよくして眼圧を下げる治療です。外来診療で点眼麻酔をして行います。
10分程度で終了し、痛みや感染の危険はかなり少ないです。
眼帯も不要で、生活制限もほとんどありません。必ず必要な治療ではありませんが、選択肢の一つとして提案できる眼科で診てもらっているか否かでは大きな違いがあると考えています。

レーザー治療(SLT)の流れ

〈手術前〉線維柱帯というフィルターが目づまりを起こしているため、房水が流れにくくなり眼圧が上がっている
〈手術法〉レーザー光線で線維柱帯を刺激して房水を流れやすくします
〈手術後〉線維柱帯に房水が流れやすくなり、眼圧が下がります

レーザー治療(SLT)の流れ 図2

レーザー治療(SLT)の
メリット・デメリット

メリット デメリット
  • 点眼の手間が減る。
  • メスを入れる手術と違い、合併症が少ない。
  • 有効であった場合は点眼治療と比較して長期的には治療費が安くなる。
  • 費用が高い。
  • 効果のない方が3割程度いる。
  • 検査、通院は続ける必要がある。
  • 術後、一時的に眼圧が上がる事がある。
  • 術後数年で効果が弱くなる。

レーザー治療の費用
(目安、健康保険3割負担の場合)

片目 約30,000円
両目 約60,000円

※ 生命保険の手術特約や医療保険にご加入の方は「隅角光凝固術(医療報酬点数表コード:K273)」として、給付されることがあります。
詳しくは保険会社にお問い合わせ下さい。

②手術治療

近年、よりリスクを抑えた緑内障手術が開発されています。
森田眼科ではこの低侵襲緑内障に力を入れております。当院副院長は低侵襲緑内障手術に関する学会発表や講演を行っており、最新のインプラント手術については、一般の眼科医が使用することができない時期から、認定医として執刀をしております。とはいえ、手術は避けて通れるならば、やりたくはありません。患者さんに必要だと判断される場合に限って提案させていただきます。
お気軽にご相談ください。

手術には大きく分けて、「流出路再建術」と「濾過手術」があります。「流出路再建術」は房水の出口である線維柱帯にステントを挿入したり、線維柱帯を切開したりすることで房水の流れを改善して眼圧を下げる手術です。「濾過手術」は、眼球壁(強膜)の一部を切りとってトンネルを作成したり、眼外から眼内に器具を挿入したりすることで、房水を眼の外へ排出させる手術です。
リスクの低い手術は効果もそこそこで、効果の強い手術はリスクが増大します。残念ながら、いずれの手術も確実に効果が出るわけではなく、限界があります。

流出路再建術

(1)iSntent inject W(アイステント インジェクト ダブリュウ)挿入術
iSntent inject W(アイステント インジェクト ダブリュウ)挿入術

眼圧の元となる房水の出口である線維柱帯に0.3mm程度の小さなステントを留置します。
白内障手術との同時手術のみ認められております。
手術時間は白内障手術(10分前後)+2分前後です。緑内障手術の中では安全性が高いですが、効果は点眼1-2本分程度とされています。
基本的には状態の安定している緑内障の患者さんが白内障手術のタイミングが訪れたときに提案しています。

流出路再建術 経過図

(2)線維柱帯切開術

眼圧の元となる房水の出口である線維柱帯を切開して、流れをよくします。効果は線維柱帯切除術より弱いですが、緑内障の手術の中では合併症が比較的少ない手術です。とはいえ、術後は切開した線維柱帯から出血しますので、1-2週間は術前より見えにくくなります。また、眼圧が落ち着くのには1~3ヶ月かかります。目標眼圧が14mmHg前後までの方に適応となります。
森田眼科では眼内法と言う、眼内から線維柱帯を切開する方法を採用しております。
手術時間は5分程度です。

濾過手術

(1)線維柱帯切除術

一般的に眼圧を下げる力が最も強い術式です。
房水を眼の外に流す新しいトンネルを作って眼圧を下げます。
強膜(白目)にトンネルを作るため、眼の状態としてはかなりアンバランスになりますが、失明を避けるためにやむを得ない場合に選択します。
術後は生涯にわたって、衝撃や感染に弱い眼になってしまいます。
見え方が落ち着くのに1~3ヶ月かかり、その間は術前よりも見えにくい状態となります。

手術後に眼圧が安定するまでにも1~3ヶ月程度かかり、レーザーによる縫合糸切断や針による創部の管理(ニードリング)などのメンテナンスが必要です。
通院頻度も増え、メンテナンスも必要なため患者さんへの負担も大きいです。

ご希望の方は順天堂大学病院で副院長が対応、もしくはご紹介いたしますのでご相談ください。

線維柱帯切除術の流れ

〈手術前〉線維柱帯が目づまりを起こしているため、房水が流れ出なくなっています。
〈手術法〉虹彩と強膜の一部をメスで切除して、新しい房水の排出路をつくります。
〈手術後〉房水は本来の流れと違って切除された強膜の部分から目の外の結膜に流れ出ていきます。

線維柱帯切除術 経過図

(2)緑内障治療用インプラント挿入術

線維柱帯切除術では虹彩(茶目)と強膜(白目)の一部をメスで切除して、新しい房水の排出路(トンネル)を作成します。そのため、眼圧を下げる効果は強いですが、術中や術後のトラブルも多いです。
そこで、人工物で房水を眼の外に流す手術が登場しました。

①PRESERFLO MicroShunt®挿入術
PRESERFLO MicroShunt®挿入術 1

2023年8月から一般の眼科医も使用可能となった新しいインプラント手術ですが、当院副院長は指定された医師しか行うことができない時期から、使用を許可され、執刀しております。
SIBSという冠動脈ステントに使用されてきた素材でできた長さ8.5mmのチューブを強膜(白目)の中に埋め込み、眼内に挿入します。
それによって、眼圧の元となる房水が眼の中から外に流れて眼圧が下がります。
新しい手術なので長期的な眼圧下降の維持効果は不明なところもありますが、目標眼圧が12-15mmHgまでの方に適応となります。
手術時間は20分前後で、線維柱帯切除術よりも安全性が高いと言われております。

PRESERFLO MicroShunt®挿入術 2

②エクスプレス®
緑内障フィルトレーションデバイス

基本的な手術手順は線維柱帯切除術と同様ですが、エクスプレス®緑内障フィルトレーションデバイスでは虹彩と強膜の切除を行わずに、チタン製の金属のステントを刺し込みます。

エクスプレス®緑内障フィルトレーションデバイス

ご希望の方は順天堂大学病院で副院長が対応、もしくはご紹介いたしますのでご相談ください。

③チューブシャント挿入術

特殊な病型の方、難症例の方、線維柱帯切除術の効果が得られなかった方などに行います。プレートからチューブが伸びており、プレートを強膜(白目)の奥に固定して、チューブを眼の中に挿入します。それによって、目の中から目の奥の方に房水を流します。

チューブシャント挿入術

ご希望の方は順天堂大学病院で副院長が対応、もしくはご紹介いたしますのでご相談ください。

閉塞隅角緑内障の
レーザー・手術治療

房水の出口である隅角が狭いことや閉塞していることが原因であるため、隅角を広くすることが根本的な解決につながります。
眼圧が高くなくても早い時期に、手術あるいは予防的にレーザー治療が必要です。

①レーザー虹彩切開術

レーザーで虹彩(茶目)の端に小さい穴をあけて、房水が流れだすバイパスを作ります。
レーザー治療ではその場はしのげますが、その後もまた隅角は狭くなってきます。また、将来的には状況がより悪化することもあり注意が必要です。
森田眼科では、50歳以下の比較的若い方や、手術に抵抗のある方に、ひとつの選択肢としてお話ししております。

レーザー虹彩切開術の流れ

〈手術前〉線維柱帯が目づまりを起こしているため、房水が流れ出なくなっています。
〈手術法〉虹彩と強膜の一部をメスで切除して、新しい房水の排出路をつくります。
〈手術後〉房水は本来の流れと違って切除された強膜の部分から目の外の結膜に流れ出ていきます。

レーザー虹彩切開術の流れ

②水晶体摘出術(白内障手術)

房水の出口(隅角)がもともと狭いことが原因でおこる閉塞隅角緑内障は、加齢とともに水晶体が厚くなることでさらに房水の出口が狭くなり、眼圧が上昇しやすくなります。そのため、このタイプの緑内障には、水晶体を摘出する「白内障手術」が最も効果が高いとされています。
さらに、隅角が癒着している(くっついてしまっている)場合には「隅角癒着解離術」を併用することもあります。

水晶体摘出術(白内障手術)

最後に伝えたいこと

緑内障は生涯にわたり、治療や管理が必要な病気です。あなたの眼がずっと見えている、よい状態でいるために正しい治療を続けて緑内障と上手につき合っていくことが何よりも大切です。
「あなたの眼が、ずっと見えていること」、それを願っている家族や医師と一緒に頑張りましょう。

緑内障のよくあるご質問